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『育』 その1 『神様から授かった子どもを育てる。』・・・なんてすごい使命をいただいたことでしょう。喜びと同時に身の引き締まる思いでした。 小児科医といえどもおむつを替えたり、お乳を飲ませたり、離乳食をつくったり育児のほとんどは初めての体験です。ウンチの中にも感動と発見と驚きがいっぱいでした。長男はほとんど決まった時間にウンチをして回数も硬さもほどほど良好でしたが、次男はウンチの回数が多くてゆるくておしめを洗うのもおしりの手当ても苦労しました。また長男は何かと吐きやすかったのですが、次男はほとんど吐きませんでした。ありがたいことに二人の体質がことごとく違ったので、消化の良い食材や調理方法、おなかの調子に合わせた与え方などを教科書だけではなく体験として学ぶことができました。 夜中の授乳は小児科の当直を毎晩続けているのと同じくらい大変でした。(当直は週に1回程でしたが、授乳は毎晩です!!)長男の時も次男の時もあまりの睡眠不足に立ちくらみをして気を失ったこともありました。どんなに子供が愛しくても睡眠不足が高じるといらだったり気持ちが沈んだりしてきます。子ども達のためにも自分の夜中の睡眠をなんとか確保しようと授乳の工夫を試みました。2か月を過ぎたころより(赤ちゃんの哺乳力がついたのを見計らって)意識的に授乳のリズムをつくっていくことにしました。そうすると夜中の授乳間隔が3時間、4時間、5時間と開いてきて、とうとう6時間の睡眠を確保できるようになりました。6時間眠らせてもらえれば私も元気一杯に過ごせます。私の元気は、子どもたちの元気にもつながりました。 母乳育児成功のための10カ条がWHO&UNISEFから1989年に出されました。その第8条に赤ちゃんが欲しがるときには欲しがるままの授乳をすすめよう とあります。この10カ条は産科施設とそこで働く職員に向けて提唱されたものです。しかし多くの母乳育児のおかあさん達は、この第8カ条を大事にしすぎて、いつ迄も頻回の授乳を続けています。私は、赤ちゃんが十分におっぱいを飲めて、お母さんのお乳も十分に出てくるようになった2ヶ月頃から意識的に授乳のリズムをつくり、出来るだけお母さんの最低限の睡眠時間が確保できるようにすることが子どもにとっても、お母さんにとっても、(家族にとっても)楽しい育児の大切なポイントになると思っています。お母さんの睡眠が確保できれば、おっぱいもたくさん出るようになりますし、元気なお母さんのおっぱいは一層おいしい味になることでしょう。 しばらく『育』その2、その3・・・と綴ってみたいと思います。 今日はオリンピア保育園の健診に行きました。2才児クラスに入りましたら子どもたちが、「せんせい!ぼくのてあったかいからせんせいのてをあっためてあげる」「わたしもあったかいよ」と握手攻めにあいました。先月の健診の時に私の手が冷たくて、子ども達に「せんせいのてつめたいね」と言われました。その時に子どもたちの温かい手を握らせてもらったのを覚えていてくれたのです。子どもの中には愛がいっぱい!また今日も感動です。
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