佐藤小児科医院 電話042-441-2772 調布市西つつじヶ丘1-57-94
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はじめに

コラム

    五感を磨いて猛暑の夏を乗り切りましょう

  今年は猛暑の夏になりました。子ども達は暑さの中でもモリモリ食べて元気に遊んだりしているので、親のほうもまあ大丈夫だろうと油断しがちです。ところが無理が重なり限界を超えると、急にぐったりして、高熱を出したり、吐き気を催したりと子ども達の様子は急変することもしばしばです。
 私が子育てをしていた頃は、夏の最高気温もせいぜい33度位でした。それでも、南側にはよしずを張り、打ち水をしたり、また早起きをして8時頃から公園で遊んで、10時頃には家に帰り、あらかじめ日向で温めておいたビニールプールで水遊びをして、早めのお昼を食べて、一番暑い1時から3時頃まではお昼寝をしていました。夕方も4時を過ぎると少し涼しくなるのでもうひと遊びをして、夕食、おふろ、夕涼みで暑い夏の一日が終わりです。ある時私の背中がひりひりして痛痒いので、鏡を使って覗いてみたら、なんと汗もが出来ていました。
 しかし、昨今の暑さは厳しく、子ども達(特に乳幼児)にとって、真昼間に外で過ごすには少々限界を超えています。子ども達は体力の限界に至るまでは一見元気なのですが、急にぐったりしてきます。子ども達が元気に厳しい夏を乗り切って、ひと夏超えるごとにたくましく育っていく様にするには、現役のお父さんお母さんは、私の子育て時代よりもさらに細やかな気配りが求められると思います。
 最近はエアコンが普及して、室温もエアコン任せで、御自宅の実際の室温を知らない人が多いです。厳しい暑さなので、ぜひ室温計をご用意いただき、まずは大人の私達が、30度の時はこんな感じ、32度の時はこんな感じ…というのを感じていただき、次の段階では自分の体感温度から室温を当てられるようになるとよいと思います。(ちなみに私の場合は暑さに慣れているので、32度までは扇風機を回せばそこそこの仕事は出来ます。33度になるとデスクワークにも間違いが多くなり、またやる気が起こりません。エアコンの出番となります。)そして、この位の室温なら遊ぶのはOK,この位の室温なら勉強はOK、この位の室温なら眠るのはOK・・・等とよく観察しながら最低限のコントロールで済むように暑さにも負けない体力を少しずつ培っていきましょう。またもしお子さんの体温を測る事がある時も、まずお子さんの体を触ってみて○度位と予測を立ててから測ってみましょう。そのうち的中率が高くなってきます。子育てをすることでお母さん達の五感を磨いていきましょうね。

 先日、NHKのニュースで、熱中症の予防で大切なポイントは、「食事を工夫してしっかりとる事と、十分な睡眠をとる事です。」と報道されていました。十分な睡眠は体力を回復するために子ども達にとっては大変重要です。特に小学校入学前の子ども達には、猛暑の夏には是非お昼寝をお願いいたします。もしなかなか寝てくれない…という方がありましたら、親子揃っての早起きをお薦めします。


 猛暑になると繰り返される相談を少しお話しましょう。
先日受診された元気な小学生の例です。野球が大好きな4年生の男の子。猛暑の日に朝8時から9時まで野球の朝連。10時から11時まで学校のプール。帰ってお昼を食べて午後1時から5時まで近くの公園で友達と汗だくになって遊びました。帰ってきたら体が熱く37度。翌朝ぐったりして気持ちが悪くなり来院しました。野球の朝連とプールは続けたいとの希望がありました。そこで体力の限界を超えないように、お昼を食べて、午後3時を過ぎるまでは家で休息をする約束をしました。


昔は夏には「行水」がつきものでした。エアコンも普及していなかった頃は、汗をかくとタライにぬるま湯を入れて、子どもの汗を洗い流してあげました。最近は「行水」という言葉を知らないお母さん方もいます。暑い夏には、汗もの予防と水遊びを兼ねて、ぜひ行水やシャワー、ビニールプール遊びをお願いいたします。オリンピア保育園の子ども達の皮膚の状態も、プール遊びとシャワーのある7月〜8月が一番きれいです。拭くより洗うが一番です。お母さんに汗もができるかもしれませんがひと夏頑張ってみて下さい。


汗をびっしょりとかいているのにシャツを2枚着ているお子さんが時々います。汗とりに1枚着ているのだそうです。もちろん汗もができています。その昔は化繊の入った衣類が多かったので肌に直接あたる下着として綿の肌着を着てその上にシャツなどを着たのですが、現代はTシャツそのものが良質の綿素材でしたら汗とりシャツは不要です。汗とりシャツをやめていただいたらだいぶ快適になりました。


ある幼稚園の女の子。朝起きたらぐったりしていたので、慌てて連れてこられました。暑さによる脱水でした。一人っ子のおとなしい子でよく聞いてみると喉が乾いても自分で水を飲む事を知りません。これまでは、いつもお母さんがお水をコップに入れてあげていました。喉が乾いたら、男の子のように水道の蛇口から直接水を飲む方法や、水道の水を手ですくって飲む方法などをお母さんから教えてもらい、徐々に自発的に水を飲める子どもにしていただきました。


時々子どものお世話に失敗して、反省する事もあると思いますが、「失敗は成功のもと」…そこから学んで次につなげていきましょう。   お元気に夏を楽しんでください。
  

夕暮れ時のシャボン玉遊び 暑い時の水遊び
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