東日本大震災2011・3・11
この度の大震災で、直接被災され大きな苦しみや困難と向き合っている皆様、あるいは間接的な影響で大変な御苦労をされている皆様にこころからお見舞い申し上げます。また、被災者のために不眠不休で様々な救援活動をされている皆様に心から感謝申し上げます。
私はこれまで大事故や大災害に巡り合ったことはありません。被災された方々の苦しみや悲しみ、恐怖、不安は私が想像するよりもはるかに大きなものと思います。(想像を絶するでしょう。)記憶に新しいところですと神戸大震災や新潟中越大震災がありました。それだけではなく人災としてのサリン事件、電車の脱線事故もありました。こうした悲しい出来事が起こる度にいつも思いだす言葉があります。それはハンセン病患者がかつて隔離生活を強いられていた長島愛生園という療養所でハンセン病の患者さんのために一生をささげた精神科医の神谷美恵子先生の詩の一節です。
なぜ私たちでなくあなたが?
あなたは代わって下さったのだ、
代わって人としてあらゆるものを奪われ、
地獄の責苦を悩み抜いてくださったのだ。
この度の大震災が引き金になり発生した原子力発電の災害でも、多くのことを学んでいます。私たちは自分のあるいは自国の物質的な豊かさを追い求めるあまりに、戦争や環境破壊を続け、多くの人災も起こしてきました。本当に真剣に地球の未来に取り組む必要に迫られています。また個の(弧の)時代をまっしぐらに進み、挙句の果ては孤独感にさいなまれている都会の人々に、悲しみの中でも被災地の方々が助け合い思いやる姿が心をゆさぶり、大切なことを思い出させてくれたと思います。
私たちを代表して大きな困難に直面された皆様、まずはこの困難な状況から逃げず、恐れずいかなる状況をも受け入れてみましょう。すべては、私たち一人一人を代表して受けてくださった困難です。私たちも出来る限りの復興のお手伝いをする覚悟です。微力ながらやらせて下さい。一般の私たちにお願いしたい事があったら我慢せずにメディアに向かってつぶやいてみてください。つぶやき続けてください。お願い致します。
大震災にあわれた方々の、(特に子どもたちへの)接し方も大切です。全国に被災された方が避難されていますので以下の点に注意して接するようにしましょう。
被災された方にかけない方が良い言葉の例(日経新聞から)
○色々あったけど命が助かったから良かったじゃない。
○はやく元気になって。
○頑張って。(頑張って疲れきっているのに追い打ちをかける。)
○早く忘れて前向きに生きよう。(一生忘れられない体験をしている)
子ども達(幼児)は、大人とはちょっと違った変化が見られます。
○安全を確認するため家族等への依存が強くなる。
○赤ちゃん返り・指しゃぶり・おもらし・夜泣き
○うまく話せなくなる。
○音に驚く。 などが見受けられます。
そうした子どもの変化への対処法ですが
○「大丈夫だよ」と言葉に出して子供に伝える。
○身に起きた出来事を繰り返し話すことがありますが、何度でも子どもの話に耳を傾けて
あげる
○睡眠や食事などの日常生活のリズムを出来る範囲でこれまで通りにしてあげる。
○世話をしてくれる大切な大人からは不必要に引き離さないようにする。
○楽しみにしていることはできるだけ続けてあげる。
○夜は必ず一緒に寝る。子どもの安心につながります。
○スキンシップを普段以上に心がける。
○外傷体験を再現するごっこ遊びをすることがあるので、お医者さんセットやぬいぐるみなどを
用意して子どもの体験を表現するのに役立てる。
○外傷体験を思い出させるようなニュース等の刺激は避ける。 があります。
お父さんお母さんの今後の生活再建の不安も大きい事でしょうが、子どもの耳はダンボの耳です。理解力が備わらないのにいろいろな会話を耳にして不安を大きく膨らましていきます。子どもにとって聞かなくても良いことは、なるべく子どものいないところでお話ししましょう。このことは、日本中の大人たちの心がける大切な事でもあります。
今日は春の暖かい陽射しが注いでいます。いろいろな事が解決されずに問題は山積みですが、自然の恵みは花を咲かせ、芽吹かせて心を和ませてくれます。被災地にも早く春の息吹が訪れますように。
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チュウリップ |
花かんざし |
どんなに困難な時にも、自然は私達に寄り添っています。
京都市金谷病院 神谷康隆先生から送られた励ましの写真です。 |
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