佐藤小児科医院 電話042-441-2772 調布市西つつじヶ丘1-57-94
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コラム

 「子どもの心」研修会

 毎年2回、土曜の午後から日曜日にかけて「子どもの心」研修会が行われます。今回は5月12日〜13日に前期の研修会があって、全国から400人ほどの小児科医が受講しました。今回のプログラムは
1. 子どもの権利条約と日本の子ども
2. 子どもの幸せにつながる吃音臨床
3. チックの理解と対応
4. 性と生の教育〜小学校での授業実践〜
5. 子ども虐待対応・医学診断ガイド
6. 性虐待を受けたと思われる子どもに医師が出来る事
7. 子どもはなぜ遊ばなければならないのか 8. 生き合う力を育む子どもの時間     でした。

 これまでにも子どもの心身症、親子のメディア漬け、摂食障害、子どもの発達の健診と早期支援の展望、暴力は親へ向かう〜すれ違う親と子への処方箋、場面緘黙の理解と対応―幼稚園や学校でおしゃべり出来ない子どもたちー・・・など多方面にわたっての研修が行われてきました。

 医学の発展でたくさんの病気が治療可能となり、たとえ完治ができないとしても患者さんのQOLは格段に向上しています。ワクチンで予防できる病気もたくさん増えました。しかし一方では、子ども達の心が健やかに育っていく事に大きな困難をかかえる時代になっています。私もこの頃は、体の病よりも心の病をいかに防いで、いかに克服するかの方が重要だと感じています。ですから可能な限り子どもの心に関する研修会には参加をするようにしています。

 今回のプログラムの7と8の講演で、子ども時代の遊びが子ども達の健やかな発達にどれほど必要かを教えていただきました。遊びの中には成功した喜びもあるが苦痛、悲しみ不快感もある。遊びの中で失敗や成功を繰り返すことで他人の評価ではなく自分の達成感を味わう事が出来、自分の内面から意欲が湧いてくる。みんなで遊ぶ係わりの中で起きる出来事には、子どもならばこその発想、価値、面白さ、ルール・・・が生まれる。子ども達は、この子どもの(遊び)時間の中で自己を十分発揮し、表現し、自分らしさを磨いていく。人は皆違うこと、いろんな意見があること、違うから面白いこと等を実感していく。何かを成し遂げていくために、誰かのことを思い巡らし、何かに思いを馳せる想像力を発揮していく。他者と何かをやる事は大変だけど面白い!を実感する。また、この大切な子どもの時間に付き合い、ともに喜びを分かち合ってくれる大人だけではなく、遠くで見守ってくれる、応援してくれる、何かあったら助けてくれる、時には叱ってくれる、自分達を信頼してくれている大人たちの温もりのまなざしも重要な役割を果たしている・・・。といった説得力のあるお話でした。

 子育て真っ最中のお父さんお母さんには、是非子どもの時間に寄り添う大人として、また子育てを卒業した大人の方々には子どもの時間への温もりのまなざしで、子ども達の健やかな心の成長をいつまでも支えてあげてください。

 5月20日撮影  日輪  5月21日撮影  金環日食
   


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