佐藤小児科医院 電話042-441-2772 調布市西つつじヶ丘1-57-94
トップページ
ごあいさつ
診療時間
地図
予防接種・乳児健診
 
2009年コラム一覧
2010年コラム一覧 
2011年コラム一覧 
2012年コラム一覧 
 
はじめに
2013年1月
2013年2月
2013年4月
2013年5月
2013年6月
2013年7月
2013年9月
2013年10月
2013年11月
2013年12月

コラム

 次の世代に存続可能な美しい地球を!!

 このコラムを始めてから丸5年が経ちました。拙いコラムの連続ですが、思いがけない方にもお読みいただき突然に嬉しいお電話をもらうこともありました。そろそろ子育ての思い出も底をつき、残り3回で終わりにしたいと思うようになりました。最後の3回は、これまでいろいろな体験をしながら生きてきた中で、自分の生き方として皆様にお伝えしたいと思うことを綴ってみます。

 猛暑の夏をやっと乗り越えたと安堵する間もなく、大型の台風が何度も日本列島を襲い、日本各地にこれまでに経験のないほどの大きな被害をもたらせました。ここ10年の異常気象には不安を覚えると同時に、次世代の子供たちのためにもひとりの大人として何かしなければと切に思うのです。
  私の子供時代は、ちょうど日本の高度成長の時期でした。昨今の中国の大気汚染や水の汚染と同じような報道が私たちの国日本でもたくさんありました。富山県神通川下流域でカドミウム汚染により発症した(イタイタイ病)・熊本県水俣市で有機水銀汚染により発症した(水俣病)・三重県四日市市で亜硫酸ガス汚染により発症した四日市喘息などなど、公害に関係した事件がたくさんありました。また1974年には朝日新聞に有吉佐和子さんの(複合汚染)という連載小説が掲載され、日本の公害問題に一石を投じました。そのような中で育った私には、現在の日本や世界中の環境問題がたいへん気になるのです。
  次の世代に美しい地球を受け渡すために、大人として親として是非環境問題や食料問題に目を向けて下さい。まずは現状を知ることから始めましょう。地球環境に詳しい高木善之さんの地球村のHPによると地球上では飢餓が原因で1年間に1000万人位の人が亡くなっているそうです。地球全体では世界中の人が生きていくのに必要な穀物のおよそ2倍の生産量があるのですが、その多くの穀物は先進国の人たちが好んで食べる牛や豚や鶏の餌になっているそうです。牛肉を1キロ作るために穀物11キロ、豚肉1キロ作るために穀物7キロ、鶏肉1キロ作るために穀物4キロが消費されてしまいます。また日本は年間5500万トンの食料を輸入しながら、1800万トンもの食料を捨てています。そして食品廃棄の半分以上の1000万トンが家庭から捨てられています。私はまだ日本が貧しい時代に子供時代を過ごしたので、食卓に出された食事を残すということも好き嫌いで残すこともありませんでした。その影響もあってか、子供たちも食事の好き嫌いもなく、毎食完食していました。すっかり食事をたいらげた後に、もっと食べたい!という声が上がることもありましたが、残り物はないのでふりかけご飯や食後の果物やなにかあり合わせのもので我慢してもらうことも時々ありました。この様なことからも、地球のために私たちに出来ることが見えてきましたね。無駄な買い物、肉食、食べ残しを少し減らしましょう。成長や運動量に合わせた量を食べて適正体重を目指しましょう。輸入品(輸送にたくさんの燃料を使います)や季節はずれの食品(栽培に燃料が必要)はなるべく避けましょう。そうしてちょっと調理に工夫をすると体に優しく地球にやさしい美味しい食卓になります。

 みなさんもよくご存知のように異常気象の大きな原因の一つは地球温暖化が関係しています。私たち一人ひとりが節電・節ガス・節ガソリン・節水に心を寄せて行きましょう。そのおまけで生活費もグッと節約できます。健康的な食生活をして、エコな生活を目指しなるべく自分の体で動くようにすれば、体も丈夫になり「節薬」も出来ます!!薬を飲まずに健康体でいられることはとっても素敵なことだと思います。
 水の汚染にも気を使いましょう。食後の食器洗いの前に、べっとりした油は紙で拭ってから洗います。油汚れが少なければ食器洗いの洗剤も薄めて使っても十分に泡立ちます。洗剤を薄めれば、手荒れも軽くなります。お風呂場のお掃除も、洗剤を使いすぎていませんか?お洗濯も洗剤を使いすぎていませんか?柔軟剤は毎回必要でしょうか?よ〜く地球のことも考えながら少しでも地球にやさしい毎日を工夫すると、家事がますます楽しくなってきます。
 ゴミ問題も知ってください。これも高木善之さんのHPから教えてもらったことですが、日本は世界でもトップクラスのゴミの排出国です。一人当たりのゴミの焼却量はフランスやドイツの倍ぐらいあります。私たちが出したゴミを行政が一生懸命焼却して、なんとなく便利で綺麗な生活をしていますが、焼却のためにたくさんの燃料が必要となり、当然空気も土壌もすくなからず汚染されていきます。無駄なものは安いからといって買わずに本当に必要なものを買うようにしましょう。物も大切に使えば綺麗に長く使えます。長く使ったことを心の自慢にしてください。もちろんお買い物の時にはなるべくエコバッグを用意し、いただく袋は最小限にしましょう。不要なダイレクトメールは開封せずに赤字で(受け取りを拒否します)と書いて 郵便はポストに投函し、メール便の時にはシールに書かれたフリーダイヤルに電話をして引き取ってもらいましょう。少しでも繰り返される不要なダイレクトメールを減らしていきましょう。
 原発問題も地球にとって大きな課題です。どう考えても原子力発電は美しい地球を存続させる足かせと思います。原子力発電の恩恵に預かり便利で豊かな生活を享受させてもらいましたが、次世代の子供たちのためにもこれまでの恩恵に感謝を捧げ、決別しなければならないと思います。そのためには今よりも不便な生活も喜んで受け入れる覚悟があります。今よりも自らが手間暇かけなければならない不便な生活を子供たちもきっとすぐに楽しむようになるでしょう。
  ケニアのワンガリ・マータイさんが広めた言葉(MOTTAINAI)は日本が発祥の地です。日本人は誇りを持って、実践する責任があると思います。お一人お一人の(MOTTAINAI)の積み重ねが環境保全に役立ちます。今回の福島原発の事故や、中国のPM2.5の問題を見てわかるように環境問題に国境はありません。 今から私から地球にやさしい生活を目指して、次世代の子ども達に美しい自然にあふれた豊かな地球をつなげていきましょう。

 

 


Copyright(C) SATO CHILD CLINIC. All Rights Reserved.