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コラム

 置かれた場所で咲きなさい   渡辺和子さん

 節分も過ぎて、少しは春の兆しが感じられるかしら、と期待をしましたが、厳しい寒さが続きましたね。 クリニックの庭には、例年よりもだいぶ遅れて、水仙や福寿草の花がやっと咲きはじめました。春はそこまでやってきているようです。

 ノートルダム清心学園理事長でいらっしゃる渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」というご著書がミリオンセラーになりました。大変笑顔の美しい86歳の修道女でいらっしゃいます。2月16日の日本経済新聞に、お写真とインタビュー記事が掲載されました。その中の「どんな場所に置かれようとも、仕方がないと諦めるのではなく、自分の境遇の主人になって、自分なりに花を咲かせようと努力すれば自分が幸せになり、周囲の人もしあわせにできる。人間は一人格として自分で幸せを生み出す力があるのです。もちろん、どうしても咲けない日もある。そんな時は下に下に根を張っていけばいい。そうすれば次に咲く花は以前と一味違う美しい花となります。」というお話をもとにコラムを綴って見たいと思います。
  ある機会があって、私のこれまでを振り返ってみたことがあります。10代、20代、30代、40代、と順番にいろいろなことを思い出してみました。40代に入ると、思い出すだけでも辛かった出来事ばかりで、(子ども達の予期せぬ思春期の嵐、自分自身の病気、めまぐるしく変わる医療情勢、両親の旅立ち・まだまだたくさん・・・・)涙が溢れて溢れて止まりませんでした。渦中の中では涙を出す余裕さえもなかった分、思い切り泣きました。思い切り泣いてからは、すっきりしたのかその頃のことはもう思い出すこともなくなってきました。その辛い状況の連続の中で、(もうダメ!!)と叫びたくなった時に、五井昌久先生の教えに出会いました。五井先生の昔のご法話のテープを眠れぬ夜に何度も聴きました。楽しいご法話に、久し振りに声を出して笑っている自分が嬉しかったこともあります。そのご法話の中の、「人間の目的は何かというと、置かれた環境は神様が置いて下さったんだと信じて、その場で一生懸命いのちを生かしてやること、これより他にないですね。なんでも一生懸命やるということが人間の目的です。・・途中略・・置かれた環境がどんなに悪かろうと、また心が動いて行ったところが悪かろうと、そこで一生懸命さえやっていれば、必ずその環境を突破して、目的にだんだん近づいてゆくんです。・・途中略・・神様が一番好いている人は、どんな環境でも一所懸命やる人ですよ。一所懸命やるということは、求めていることなんです。商売が嫌いだとしても、商売の環境に置かれたら、商売を一生懸命やる。それがどうしてもその人に適さなければ、また違うところに行くようになります。・・・」この部分が私を勇気づけてくれました。あれもこれも大変な状況だけれども、今この置かれた状況で私が一生懸命出来ることは何?と自分に問いかけ、出来ることを一生懸命取り組んでいくうちに、いつの間にか真っ暗なトンネルの向こうに明るい光が見えてきました。この経験を経てからは辛いことがないのか、あるいはあっても辛いと思わないのか比較的穏やかな心境で日々生かされていると思います。
 五井先生も渡辺先生も神様と共に祈りとともに歩んでこられたお方です。生き方や子育てのノウハウ本も良いのですが時にはいつも神様と共に生きてこられた方々の本もいかがですか?また違った視点でこの与えられたいのちの日々を捉え直すことが出来ることでしょう。
  渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」のこのタイトルが、単調な家事と育児を繰り返しながら 時に悶々とされるお母さん方の暖かな春風になりますように。

 
 鬼のお面が怖くて泣く子もいます。 「あっ、納豆だ!」と言った子も。 


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