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コラム

 離乳食のお話

 乳児健診をしていて、この頃感じるのは、離乳食が始まると体重の伸びがいまひとつのお子さんが多いことです。どのように離乳食を与えているのかを詳しく尋ねてみると、次のような傾向がありました。

☆離乳開始から1ヶ月間のあいだに米・野菜・豆腐・塩抜きのしらすなどを試して行きますが、その速度が遅く、2回食に入る前に十分な種類の食材が試されていないこと。
☆離乳開始が早いとアレルギーが心配・・・といった過去の考えに縛られすぎていること。最近の研究では極 端に早くなければ、食物アレルギーの発症とは関係がないと言われています。状況が揃えば与える食材の順番を守って、5ヶ月には始めて欲しいと思います。
☆赤ちゃんが離乳食を好んで食べてくれない。⇒作り方を尋ねると、多くの場合、なんでもまとめて作って、冷凍して、電子レンジでチン解凍して与えていることが多いのです。また与える前にお母さんが味見をしてないということも何度も聴きました。
☆離乳食がいつも同じで、どうしていいかわからない。・・・この場合も人参・かぼちゃ・じゃがいもなどをさいの目にしてゆでて冷凍して使っているので、当然離乳食が短調になってしまいます。そしてその単調なことに悩むお母さんがいます。
☆まだ幼い兄弟姉妹がいる場合に、赤ちゃんも一緒に食事をさせようと頑張って疲れてしまうお母さんがいます。赤ちゃんには片手間に食事を与えることはできません。ほかの兄弟姉妹にはやけどなどの危険もあります。赤ちゃんは先に空腹を満たしてあげて、食卓の楽しい雰囲気だけを共有するようにすればうまくいくと思います。

 まだまだいろいろなケースがありますが、中でも離乳食で一番大切なのは、美味しいことです。赤ちゃんが体を乗り出してもっと頂戴とお口を開けてくれることです。それにはどうしたらよいでしょうか?私が思うには、(作り置きをして、冷凍して、チン解凍)をやめることだと思います。赤ちゃんはほとんど味付けをしない状態、すなわち素材のおいしさだけで食べています。かぼちゃにしても、キャベツにしてもそのゆで汁には野菜の持ち味と栄養も染み出しています。かぼちゃを茹でたその汁と一緒に食べると美味しく食べられます。(ほうれん草やさつまいもなど、ゆで汁の美味しくない食材もあるので注意して下さいね。)
  じゃがいもと絹サヤの味噌汁、カブと人参とカブの葉の味噌汁、じゃがいもと人参と玉ねぎのスープ・・・それぞれ組み合わせの妙味があります。離乳食だけが特別ではありません。普段の食事づくりからヒントを得て、ご家庭の今日の献立からの取り分け離乳食を是非お試しください。お魚(お刺身の盛り合わせをひと切れずつラップに包んで冷凍)やお肉(鳥のササミを3〜4にカットしてひと切れずつラップに包んで冷凍) は新鮮なうちに冷凍保存して必要な時にお粥や、煮込みうどん、スープ煮等に使います。お魚やお肉のだしも出て美味しい離乳食になりますよ。お粥も冷凍・チンよりはご飯から作ったほうが美味しいと思います。 ご飯に水を入れて、お刺身ひと切れを入れて炊きます。十分に火が通ったら、お刺身を取り出してほぐしてお鍋に戻します。ほうれん草や小松菜の青菜をゆがき、みじん切りにしてお粥にいれます。白身魚と青菜のお粥の出来上がりです。イメージしただけで美味しそうです。そして食材を変えれば、洋風にも和風にもなります。
 先日健診にこられたお母さんは、かぼちゃや人参をチンして柔らかくしてからそれを冷凍して、またチンで解凍して潰して与えていたそうです。離乳食の本に書いてあったので味見をしないで赤ちゃんに与えていました。赤ちゃんはちっとも喜んで食べてくれないとのお話でした。せっかくなので、チンで作ったかぼちゃと、茹でてゆで汁と一緒に潰したかぼちゃを両方作って、お母さんに食べ比べをしていただきました。もちろん茹でて潰したかぼちゃの方が美味しく赤ちゃんも喜んでくれたそうです。
 お料理もたいして出来ず、母になった私でしたが、離乳食を作ることで、素材の味に目覚め、徐々に手際よく料理もできるようになり、食と健康の関係にも関心を持つようになりました。おかげで、こうして元気に天職を全う中です。

 

    
 盆踊りにて 昼寝の後の夕方に 


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