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“今でしょう!” の子供の世界
クリニックでの診察や保育園・幼稚園での身体測定、初めての環境、初めての体験を非常に怖がるタイプの子どもに時々遭遇します。もちろんそれぞれの個性(例えば、心配性とか怖がりとか慎重派とか)の部分もあると思いますが、私の経験では、子どもに常にたくさんの説明つきで接している親御さんの子どもに多く見られるようです。「今週は運動会があるから、その日に病気をしないようにしましょうね」「これを汚れた手で触ったら、消毒してあるのにまた不潔になってしまうから触るのはやめましょうね」「注射をしないと怖い病気になるから、病気になると幼稚園に行けないから我慢しようね」「みんなのおもちゃだから独り占めしないで仲良く使おうね」・・・など現場ではこうした母子の会話が聞こえてきます。
家庭や集団生活の場で、安心して毎日を過ごしている幼子にとっては、いつも“今”きりかありません。ずっと先の話をされても、過去に叱られた話を蒸し返されても幼子にとっては、混乱を招くだけです。遠足の用意も、運動会の準備もお母さんが整えてくれる幼いうちは、朝起きてから、「今日は遠足ですよ。おいしいお弁当もできていますよ」と伝えて、いつものように送り出すだけで十分間に合います。そうすれば興奮して眠れなかったり、不安がったり、楽しいはずの行事の時ばかりに体調を崩すことも少なくなるでしょう。やってはいけないことを注意するときにも、理由は聞かれてからで十分と思います。まずは「それは触りません」とスッキリ伝えないと幼子には伝わりません。注射の時には「ちょっと頑張ろうね」と一言声をかけて、あとはしっかり抱きしめてあげるとまな板の鯉のように堂々と頑張れます。「痛くないよ」とか「○○ちゃんも泣かずにできたよ」などと言葉をかければかけるほど泣いたり暴れたりがエスカレートしていきます。おもちゃの奪い合いも「仲良く使おうね」の声がけだけの方が、幼子には伝わりやすいと思います。子どもから「どうして?」と聞かれた後にわかりやすくお話してあげれば十分と思います。いろいろな機会に「仲良く使おうね」という言葉かけがされているうちに、「仲良く使う」ということが早くに身についていきます。
東進ハイスクールの林修先生の「今でしょう!」とはちょっと違うニュアンスですが、幼い子どもほど、過去も未来もない「今」に生きていることを忘れないでください。そして私たち大人も本来は「今に生きる」ことが大切なことを心に留めていただきたいと願います。
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5月19日に富士山の麓で世界の平和を祈る第9回「世界平和交響曲」が開催されました。
4千人近い人々が日本全国・世界各地から集い、197カ国の平和の祈りを捧げました。
いつ見ても何度見ても富士山は美しいです。荘厳です。大好きです |
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